放射性セシウム137は、半減期が30.17年と長い。放射性物質が飛散した福島第一原子力発電所周辺地域では、生物における蓄積によるリスクが懸念されている。そんななか、物質·材料研究機構(茨城県つくば市)の国際ナノアーキテクトニクス研究センターでは、肉眼でセシウムを検出する方法の開発に取組んできた。
このほど、有賀克彦氏とジョナサン·P·ヒル氏らの研究者チームが開発した新素材は、肉眼でセシウムを検出することを可能にすると期待されている。2人は、「私たちは、単純なスプレー式の試薬や、一般的な蛍光灯の下で、固体状態で肉眼検出を可能にするするための分子材料を開発しました」と語っている。ナノアーキテクトニクス研究センターには、東京大学と独立行政法人科学技術振興機構(JST)も参加して、研究が進められている。
研究チームは、アルカリ金属のある条件で、プローブにおけるフェノール類と呼ばれる有機化合物の蛍光の変化に着目している。電子受容性4 – ニトロフェニルエーテル(4-NPE)基で置換されたフェノール化合物を設計。化合物は、セシウム陽イオン、及びメタノールの存在下で独特の緑色の蛍光を示した。対照サンプルである他のアルカリ金属では、青色の蛍光が上昇した。
セシウム濃度の上昇に伴って蛍光ピークが高まることがわかった。また、プローブは百万分の1のセシウム濃度にも反応することがわかり、自然環境中の放射性物質の範疇を超えているため、セシウムの肉眼での検出が可能ということになる。この方法を、環境中の汚染物質の検出に使用できれば、放射性物質による汚染率に関する正確なデータを集めることができ、除染や避難区域の設定などへの活用が期待されている。
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